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東北デベロッパーズコミュニティ 設立一周年記念カンファレンス

  • 日時:2009年3月4日(水)13:00 ? 17:00
  • 場所:仙台メディアテーク 7Fスタジオシアター
  • ※講演およびパネルディスカッションはUstreamでもご覧いただけます。 http://www.ustream.tv/channel/TDC

    活動報告及び決算・役員選任の報告

    東北デベロッパーズコミュニティ事務局長 和田 克明(フライトシステムコンサルティング)

    TDCは設立してから1年の間に、勉強会の開催、イベントへの参加等、多くの活動を行ってきました。活動報告の後、今年度の運営委員(10名)の紹介があり、拍手で承認されました。ありがとうございます。

    昨年のTDC設立記念総会の懇親会の場で生まれたNetBeansのマスコット「ねこび?ん」の作者である福岡のCGFMの金内和子さんより、お祝いビデオメッセージを頂戴しましたので、この場でご紹介しました。

    「人と人との偶然の出会いでキャラクターが生まれ、様々に展開されて、色々な人にかわいがってもらえた。一人だけで、または会社の中だけでは、このようなことは起きないと思います。コミュニティに参加することで自分の可能性を広げられます。皆さん自身が主役です。積極的に、主体的にコミュニティを楽しんでください」


    金内さん、ありがとうございました!

    講 演

    引き続き、3名の方々の講演がありました。内容をご紹介します。

    「Android」について

    JJUG会長・日本Androidの会会長 丸山不二夫氏

    • 早稲田大学大学院 客員教授

    ムーアの法則に従って、これまで半導体技術や集積度は急速に上がり、価格は急速に下がってきています。一方、ネットワークの進化も非常に早く、スピードがどんどん速くなっています。コンピュータとネットワークの性能と価格の変化により、システム全体の中での寄与比率が変わって来ました。そこで、たくさんのノードをネットワークで結び全体のシステムを作るスケールアウトの方向が出て来ました。これがクラウドのはじまりです。

    クラウドを考える時にGoogleやYoutubeなどがよく例に出ますが、Webアプリという形式は重要ではなく、たくさんのノードがあって情報を交換しあっているというサービスの本質を考えなければならなりません。今、ネットから得られる情報量はどんどん広がって増え続けており、我々は常にサービスに接続してそこから情報を得ている、そんな時代になっています。携帯が普及してクラウドと結びつけば第二の情報爆発が来るのではないでしょうか。

    20世紀と21世紀の変わり目で一番増えているのが携帯、いわゆるPCの形をしていないモバイルデバイスです。しかもかつての大型コンピュータと変わらない性能を持っています。今、発展途上国を中心に携帯が急速に普及してきています。携帯は生産性と経済性を上げるアイテムと認識されています。そこにAndroidは安価で高性能なマシンを提供しようとしています。AndroidはLinuxベースのオープンソースで、柔軟にサブセットを自由に作ることができます。組み合わせによっては安価なものが可能なので、これから発展途上国、中国、インドで爆発的に普及する可能性があります。

    Androidは、コアの部分は「クラウドのサービスを受けられるビュアー」と言えるのではないでしょうか。今後はPCからモバイルへ確実に移行すると思われます。携帯50億台にサービスを提供しようとすると1台では力不足。クラウドのサービスをすべてモバイルが受け取る時代が始まろうとしています。Androidは電話以外、組み込み用にも普及していく可能性があります。

    日本Androidの会では、時々集まって様々な活動をしています。東京をはじめ全国にもたくさん支部があり、ぜひ仙台でもできればと思っています。今、日本の携帯は世界のシェアでいうと圧倒的に負け。でもIT技術を持つ技術者が多く、組込みの「モノづくり」の実績がある。ITの力、モノづくりの力、これらが出会う場がAndroidではないでしょうか。クラウドとモバイルが繋がる世界へのチャレンジに、是非関心を持っていただけたらと思います。

    OSSの今後について

    Seasarファウンデーション代表理事 栗原 傑享氏

    OSSは「ソースが公開されている」「利用に制限がない、改変可能」「配布方法に制限がない」、そのメリットを生かし開発者のコミュニティを中軸としてどんどん発展していく…というエコシステム(生態系)が理想的に語られます。しかし、OSSのメリットを生かす人は現実にはほんのわずか、ほとんどの人はダウンロードして利用するだけです。OSS発展のエコシステムは機能していないと思われます。

    OSSの本当の価値は違うところにあるのではないでしょうか。E.レイモンド氏による論文「ノウアスフィア(noosphere)の開墾」では、ハッカーたちがソフトウェアを開発するのは、ハッカー独特の「贈与の文化」の中での社会貢献であり、得られた名声が報酬となり社会的地位向上となるからではないか、と指摘されています。

    しかし昨今のように景気が悪化すると社会貢献どころではなく、OSS活動は制限されてきてしまいます。その中で2005年、NPO法人「Seasarファウンデーション」を立ち上げました。開発者をエンカレッジしてコミュニティの活性化を目指します。NPO法人のメリットを生かし、コミュニティの運営、知的財産権の管理、権利義務の更新、企業の知的財産権の寄贈の受付などを行っています。 プロダクトやブランドなどの「理念」と、ひがやすをさんをはじめあこがれを喚起する「カリスマ」によって、コミュニティを育てる力を作り、OSS開発を通して社会貢献をしようというのが狙いです。開発者どうしの連帯感を醸成し、勇気づけていきたい、そして開発された知的財産権を継続的かつ透明に運用して、世界中に影響力を発揮していきたいと考えています。今後は、Seasar2製品のメンテナンス・サポートを中心に一層活発に活動する予定です。

    日本では海外のソフトウェアを利用することがほとんどです。それでも、日本で、または皆さんの地域で先行して頑張ることは相当の意味があると思います。統計によるとIT技術者は日本で250人に一人、ある種「ヘンタイ」です。頑張ればトップに手が届くのではないでしょうか。「高速道路効果」もあります。日本の技術者が「弱い」として束ねられても「あなた自身」がオリジナリティがないわけではありません。弱いからこそ助けられるというメリットもあります。技術者がやらなければいけないことは、技術の習得、仕事ができようになる、勤怠をよくする。今私が欲しいものは、OSSの活動に参加しやすい仕組み。スキルや時間がなくても貢献できるようなアーキテクチャをOSSで解決できたら考えています。

    贈与文化の中では先行者利益がありますが、トップはある程度活躍したら次世代に交代していくべきと考えています。来年は、会場の聴いている人の中から講演者となる人が出てくることを期待します。

    勉強会のすすめ

    日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員 吉岡 弘隆氏

    YLUGのカーネル読書会というものを始めて今年で10年目です。商業的なイベントではなくボランティアによって開催される自主的な勉強会は非常に面白いものです。参加して、多くの人と出会いたい、エンジニアが元気な社会をつくりたいと考えています。この10年で勉強会が特別ではなく、普通に頻繁に開催される社会になったことを、実感しています。

    勉強会に行く第一段階は「参加する」。hanazukinさんIT勉強会カレンダーを活用しましょう。全国でひと月300くらいの勉強会が開催されているようです。興味のあるものを、まず自分の近くからの探してみましょう。人と出会って話すのはネットでは得られない経験。懇親会があるなら、なるべく参加したほうがよいです。 行った後は感想をブログなどに書きましょう。文章にまとめることで理解を再確認できるし、講演した人や参加者から突っ込みがもらえるかもしれない。また、行く前に参加表明をブログに書くのもおすすめ。参加前からネットワークがはじまります。 メリットは、楽しい、知識が増えるかも、自分の困っていることが解消するかも、すごい人と知り合いになれる、仕事に役立つ、人脈ができる。 コストは、時間を使う、最初の一歩が踏み出しづらい…でもそこはちょっとした勇気と行動力で乗り越えましょう。

    何回か参加してなじみの勉強会ができたら、次のステップは「発表する」。5分くらいから、発表してみましょう。発表の経験は知識の整理もでき仕事でも役に立ちます。慣れたら次は30分くらいのセッションを担当してみましょう。自分をさらけ出すことで思わぬヒントをもらえるかもしれません。会場に20人いたとしたら20人のブレーンを得たも同然。 コストは、発表の準備の時間。しかし場数を踏んでいくことで減っていきます。

    自分のやりたいネタで勉強会がなければ「勉強会を主催する」。知り合い数人に声をかけ、作ってしまいましょう。少人数であれば比較的調整しやすいので、まずは気負わず、ゆるゆるふわふわとやってみましょう。 メリットは、自分のためにやるので一番モチベーションは高く、楽しい。技術以外でも、幹事の経験は役に立ちます。 コストは、段取りや会場の確保、懇親会の用意などの手間。しかし失敗したからといって大変なことが起きるわけでもありません。

    勉強会の法則といえるのは、「ご利益が増えれば続く、コストが増えれば続かない」。なので、ご利益を増やす事を考え、コストを減らすのが重要です。「楽しむ」に主催者がどれだけまじめに取り組めるかが、勉強会の継続の鍵です。

    地方での勉強会について考えてみます。地方では人数が少ない分技術者も多くない、これをどう克服するか。でもこれまで福岡や札幌で見聞きした経験では、地方の人たちにも有利なところはたくさんあって、それを生かしているところは盛んです。地方の有利なところは何か、東京のスタイルにこだわらず、試行錯誤して見つけていって欲しい。

    勉強会を主催した経験からのちょっとしたコツは、がんばらないこと。そして楽しむことに妥協しないこと。 ひと月300個の勉強会があるとして、一個あたり10人の人が関わっているとすれば数千人が勉強会を作る事を楽しんでいる。さらに参加者も含めると、何万人という人が勉強会を楽しんでいることになる。こんなに勉強会が当たり前の社会になったことは、10年前と比べると、すげーなーと。

    今後は、OSCにも引き続き参加しますし、カーネル読書会も続けます。それから勉強会勉強会として、勉強会どうしの横のつながりを持って勉強会について考えるということも始めています。興味のある方は、参加してください。

    パネルディスカッション ? 地方におけるコミュニティー活動

    実際にコミュニティーを運営し、勉強会を開催している方々をパネラーにおむかえして、地方での勉強会についてのパネルディスカッションが行われました。

    詳しい内容はこちらをご覧下さい。

    (リポーター:宗形
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